
携帯電話と株式投資。一見、あまり関係のない両者だが、自分にとっては共通点がある。今、考えるなら、携帯電話(スマホ)を使った株式の取引だろうが、そうではない。最初に使おうと思った際の「感覚」である。
携帯電話を初めて購入したのは1994年のことだ。ちょうどその4月から携帯電話の契約もしやすくなるというニュースが流れ、必要性も感じていたので購入を決断したのだ。当時は出版関係の仕事をしていて、外回りの最中にポケベルで何度も呼び出され、「電話をかけてくるのが遅い」とか「ちゃんと聞こえているのか」などと言われることがあった。自分の無罪を晴らすべく(?)後に実験をしてわかったことがある。例えば大きなターミナル駅の構内にいたとする。ホームではポケベルが鳴る。改札口でもOK。ところが、ホームに行くための構内のある場所では電波が届かないことがあったのだ。また、ポケベルを受信してすぐに公衆電話に走っても、近くになかったり空いていなかったり様々なケースがある。しかし、呼んでいるほうも急いでいるからポケベルを鳴らすわけで、とはいえ、そんなことでいちいち文句を言われるのもしゃくなので、自腹で携帯電話を購入したわけだ。
当時は携帯電話を購入できる場所は少なく、新宿駅から歩いて数分のNSビルに入っているドコモに行った。その際、3つの番号の中から1つを選択できたのだが、選ぶ際、こう思った。
「きっと、この携帯電話番号は一生、使い続けるのだろうな」、と。
そして株式投資である。興味はあった。学校で教えないことをするのは好きだし、負ける気がしない(誰だって最初から負けることは想定しないが)。ただ、タネ銭がなかった。手数料が高いのも納得できなかった。しかし、わずかとはいえ余剰金ができたことと、インターネット証券の隆盛もあって株式の売買手数料が安くなったので、口座を開くことにした。10年くらい前のことだろうか。何か、「コトを起こす」前には下調べをする。携帯電話を購入するときには、携帯電話会社の比較はもちろんのこと、電話機の機能比較(当時は1日17時間も電池が持てば「凄い」だった……)、購入と借りる場合のランニングコストなどを本やカタログで調べ、実際に店で色々尋ねた。それ自体が楽しいから何の苦もなかった。
インターネット証券を選ぶ際も色々自分なりに調べた。手数料体系や情報量、使いやすさなどだ。しかし、正直、こういったものは使ってみないとわからないこともある。何よりも、口座維持手数料がかからないのだから、それなら複数の口座を開こう。結局3つの口座を作ったわけだが、そのときもこう思った。
「きっと、株式投資は一生、やり続けるのだろうな」、と。
幸いなことに、なんだかんだ言いつつも仕事は継続し、ああだこうだと苦難の道程ながらも投資は続いている。まだ、「思った通り」である。(by K-A)
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